映画鑑賞記 天国の本屋 恋火 

 以前一度観たことがあるが、ストーリ-もおぼろげ、再度観てしまった。今は亡き竹内結子。どんな可愛い女優も年とればしわくちゃのおば-ちゃんになってしまうが、若くして亡くなれば観客の記憶は永遠に美しいままの女優の残像で残る。ある意味女優冥利で亡くなったのかも。

 十数年前にがんになった時、おいらもいよいよ終わりかな、と思った時もあったが、今日まで生き延びてしまった。当時、学生時代からの学友に、いよいよ背後から死の影の足音が聴こえるようになってきた、と言ったら、おれは全然聴こえないと笑っていた友も、その後俺より先に逝ってしまった。がんの手術で入院してた時、見舞いに来てくれた友が、大半俺より若いのに先に逝った。生死の順番ほどランダムなものは無いと最近思う。災害で多くの人が亡くなるニュースを見ると、紙一重の差が生死を分かつのを知る。その意味では、俺も今日は元気だが明日は分からない。とはいえ、なかなかしぶといから簡単には逝けそうもないが。

 この映画は人の最も興味のあるロマンスと美しい花火と悲しい事件とを掛けて物語を造っているのはなかなか上手い。ストーリ-も奇麗だ。そして最も奇麗な頃の竹内結子も観れる。ということでいろいろ人間の生死を考えながら観てしまった。